トレーニング量に上限はあるの?Part1

トレーニング量の増加と共にトレーニング効果も増していくが、あるレベルを超えると量に見合った効果は得られなくなるのではないかと考えられています(逆U字型の関係)

トレーニングを行う人にとって気になるトレーニング量の上限。これをテーマにトレーニング経験者(スクワットで体重の2倍挙げられるレベル)を対象に調査した研究があります。

ざっくり説明するとこんな感じ。

1.週に18セット行うトレーニングの方が24セット行うよりスクワットの1RMを向上させた(逆U字型の関係)

2.トレーニング量が増えるほど筋量と筋厚が増加する訳ではなかった

3.筋持久力はトレーニング量が一番少ないグループと一番多いグループで向上し、中間のグループはあまり効果がなかった(U字型の関係)

結局これだけ読んでも何とも言えないって内容ですし、やたら重量が伸びてたりするんで鵜呑みにするのは良くないですが、何かしらの参考になれば幸いです。


Progressive Resistance Training Volume: Effects on Muscle Thickness, Mass, and Strength Adaptations in Resistance-Trained Individuals

Aube, D. , Wadhi, T. , Rauch, J. , Anand, A. , Barakat, C. , Pearson, J. , Bradshaw, J. , Zazzo, S. , Ugrinowitsch, C. , & De Souza, E. O.  Journal of Strength and Conditioning Research, 13 Feb 2020,Publish Ahead of Print.

研究の目的

3種類の異なるトレーニングボリュームが非常に鍛錬された男性の下半身の筋量と筋力に与える影響を調査すること

研究デザイン

ランダム化比較試験:被験者を実験一週間前の総トレーニング量で3つにクラス分けし、各クラス内でランダムに12s、18s、24s群に分けて行った

研究の新奇性

1.実験プロトコルが今までと違うこと自体が刺激となりトレーニング効果を出してしまう可能性があるため、被験者の今までのトレーニング状況を考慮し調査した点

2.トレーニング中のRPEなどをモニタリングする事によって、トレーニング量増加による効果の減少と各個人の負荷耐性の関係を明らかにしようとした点

被験者

44→35名(個人的な理由から6名脱落、介入中の怪我で3名脱落、24s群からは怪我の理由による脱落は0人)

被験者の選考基準

バックスクワットとその1RM測定を伴うレジスタンストレーニングを3年以上行っている事、体重の1.5倍の重量のスクワットが出来る事(平均で体重の二倍挙上できる人が集まった)

介入期間

8週間(週2回16セッション)

トレーニング内容

バックスクワット・レッグプレスをトータルで12s(13名)・18s(12名)・24s(10名)行う群に分けた。全群追加でグルートハムレイズを2セットずつ行った。強度は全群同じで設定された。指定の回数が出来ない場合は重量を次のセットから下げた。逆に指定の回数を楽に行えた場合は次のセットから重量を増加した。インターバルはセット間で2分、エクササイズ間で3分。トレーニングは各セットあと2回出来るところで終了し、最終セットのみ限界まで行った。

各種目終了後すぐに全種目のセット平均のRPEの報告が行われた。また全種目終了時の総合的なRPEとFeeling scale(快を不快を評価するスケール、FSと表記する)の報告も行われた。

評価項目

筋力(スクワット1RM)

筋持久力(スクワット70%1RMで限界まで、スクワットは高さを調節したシートに尻がつくまでしゃがませた)

除脂肪量(DEXA法、腸骨稜から大腿骨外側顆までの領域=ROI-FFM)、筋厚(超音波法、中間広筋と大腿直筋の遠位と中間それぞれの厚みの変化量とトータルの変化量)

RPEとFS

※実験期間中の適切な栄養を確保するために、被験者はトレーニング日に24gのタンパク質と1gの炭水化物(プロテインに含有されているもので意図的な追加ではない)を、研究スタッフの監督の下で摂取した。

※介入後の筋厚の変化量から被験者を3つのクラス分けを行い更に解析を行った。

結果

トレーニング量…24s群は12s・18sと比べ有意に多くなった。

RPEとFS…群間と前後(1~4週と5~8週)の数値に有意差なし。

筋力…スクワット1RMは全グループとも介入前と比べ有意に増加した。12s群と18s群は24s群と比べ有意に1RM重量が増加した。効果量は18s群が一番大きかった。

筋持久力…全グループに時間効果が確認されたが、18s群の95%信頼区間が0を跨いでいた(18sは筋持久力増強において個人差が大きい可能性を示唆する)。

除脂肪量(ROI-FFM)…全群とも介入前と比べ有意に増加。効果量は24s群が最も小さくなった。

筋厚…遠位部、中間部、遠位部+中間部の3つ全てが全群とも時間効果を確認できたが、中間部のみ24s群の効果量は他と比べ小さく、95%信頼区間が0を跨いでいた。

探索的解析…筋厚(遠位部+中間部)の変化の絶対値が一番大きかったグループは他の2グループと比べ有意に筋厚が増加していた。除脂肪量は筋厚の変化の絶対値が一番大きかったグループは一番少なかったグループと比較して有意に増加していた。筋厚の変化が一番大きなグループと二番目に大きかったグループは最も少なかったグループと比較して介入前より介入中のトレーニング量が多くなっていた。

研究の限界

1.実験期間中の栄養状態を十分に把握できなかったため栄養状態が結果に影響を与えているかも知れない

2.より長期間の介入を行う必要がある

3.被験者の3分の1が実験で行ったトレーニング量が普段のトレーニング量より少なくなった


年末なのに相変わらずイヤ~~~~な雰囲気ですねぇ。みんなが笑えるようなニュースをしてほしいなぁ