荷重ジャンプスクワットはハイプルより現場で使えるかも?

ウエイトリフティング系種目は技術の習得が難しいので他の種目で代用できるなら…という人のヒントになるかも?


COMPARISON OF THE HANG HIGH PULL AND LOADED JUMP SQUAT FOR THE DEVELOPMENT OF VERTICAL JUMP AND ISOMETRIC FORCE-TIME CHARACTERISTICS

Oranchuk DJ, Robinson TL, Switaj ZJ, Drinkwater EJ.Journal of Strength and Conditioning Research: January 2019 – Volume 33 – Issue 1 – p 17-24

研究の目的

荷重ジャンプスクワットとハングハイプルを下半身のパワー発揮・力発揮・RFDの向上を目的としてそれぞれ10週間行い、効果を比較すること

研究デザイン

マッチドペア法を用いたランダム化比較試験

被験者

大学水泳選手18名(NCAA ディヴィジョンⅡ)

ジャンプスクワット群とハイプル群はそれぞれ男性4名女性5名のグループで構成された。※一年以上筋力トレーニングを行っており、ウエイトリフティング派生種目と荷重ジャンプスクワットを行っている。

トレーニング内容

ブロックピリオダイゼーション(蓄積→転換→現実化)で10週間トレーニングを行った。ハイプル群はハングハイプル(10週間の平均強度はパワークリーンの70%1RM)、ジャンプスクワット群はトラップバーを用いたジャンプスクワット(10週間の平均強度はトラップバーデッドリフトの20%1RM)のみをバリスティック種目として行い、その他は同一のエクササイズ種目が行われた。※セット数とレップス数は同じに設定された。

測定内容

カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)、ジャンプスクワット(SJ)、アイソメトリックミッドサイプル(IMTP)

結果

CMJとSJのジャンプ高とピークパワー(相対的)の介入後の変化量は2群に統計学的有意差はなかった。しかし臨床的な有意差はあった(ジャンプスクワット>ハイプル)。IMTPにおける介入後の等尺性ピークフォース、ピークRFD、各測定タイミングにおける相対的力発揮の変化量に2群間での有意差はなかった。

筆者らの主張

ウエイトリフティング(WL)種目を実施しているアスリートにとって荷重ジャンプスクワットはWL種目と同程度下半身のパワー発揮を向上させる。荷重ジャンプスクワットは技術的な要求も教える際の専門知識も少なくて済むため、ウエイトリフティングの複雑な動きの指導が難しい場合は荷重ジャンプスクワットを行うことを検討すべきである。


いつもと違ってWL系に慣れている人たちが対象です。トレ経験の少ない人を対象にした研究だと、クリーン(およびスナッチ)と荷重ジャンプ系種目との比較ではジャンプやスプリントパフォーマンスへの効果の違いはなかったとするもの※1 がありますので、爆発系種目にはWL系を!とならなくて良いかも。

ハイプルと比べて軽負荷になるヘックスバージャンプですが、他のストレングストレを行っていたためIMTPに差を与えなかったと考えられるため、普段ストレングストレを実施しているチームで選手間のWLテクニックに差がある場合は荷重ジャンプ系を導入するのは良いかもしれません。

ヘックスバージャンプを導入する場合、荷重ジャンプスクワット系は軽い負荷でも着地衝撃が高いのでそこら辺は注意してください。→過去記事

※1.Teo SY, Newton MJ, Newton RU, Dempsey AR, Fairchild TJ. Comparing the effectiveness of a short-term vertical jump versus weightlifting program on athletic power development. J Strength Cond Res. 2016;30(10):2741–8.