ハングクリーンとハングスナッチ、どっちをやろう

クリーンとスナッチの効果の差について疑問に思っていたので、ちょっと調べてみました。


研究の目的:ハングクリーンおよびハングスナッチがそれぞれ垂直跳びの高さスクワットのマックス重量スプリントタイム(40ヤード)にどのように影響するかを、NCAA ディヴィジョン1の女性アスリート(バレーボール10名、ソフトボール13名)を2群(ここではハングクリーン群=HC、ハングスナッチ群=HSと記載させて頂きます)に分けて調査した。

※この研究は2013年の春学期にて行われた(2学期制の1学期目)
※※研究で行われたトレーニングはクリーン、スナッチだけでなくスクワットなどを含むトレーニングプログラム
※※※競技コーチからの許可が得られないためコントロール群(トレーニングをしない、もしくはクリーンなどは行わずに他のトレーニングを行う群)を用意することは出来なかった。

介入期間:
6週間

被験者のプロフィール:
年齢20.1 ± 1.0 歳
体重 73.6 ±9.3 kg
身長 173.6 ± 8.6 cm
※平均±標準偏差

介入前でハングクリーン、ハングスナッチを含むS&Cプログラムを最短で6か月、長くて4年以上続けていた。

グループ分け:
垂直跳びの高さをもとに上位から下位まで4グループにランク付けされ、それぞれのグループからランダムにHCとHSに分けられた。

グループ分け後の評価において両群に評価項目(目的の所で記載したスクワットのマックスなど)に差はなかった。
※スプリントタイムについてはストップウォッチを使用している

ハングクリーン、ハングスナッチの様式:膝上(太ももの真ん中)から開始し、キャッチ時はクォータースクワットで停止→まっすぐ立つを毎レップ行う。

週に2回、負荷は80~85%1RM、5セット×3レップスで行われた。

被験者内でのトレーニング内容の違い:
HCとHSにはそれぞれバレーボール選手とソフトボール選手が含まれているため両競技のシーズンの違いによりトレーニングプログラムは異なるものとなった。

バレーボール選手・・・オフシーズンの筋力向上を目的とした週3回のプログラム

ソフトボール選手・・・インシーズンの最大筋力向上のための週3回のプログラム

※両競技の違いとしてソフトボール選手には
バックスクワットやプッシュプレスが行われており、また3週目以降は週2回にトレーニング頻度が減っていた。

結果として:
両群ともに評価項目が顕著に向上し、HCとHS間の有意差はなかった。

Ayers JL, DeBeliso M, Sevene TG, Adams KJ. Hang cleans and hang snatches produce similar improvements in female collegiate athletes. Biol Sport. 2016;33(3):251–256. doi:10.5604/20831862.1201814


私の場合リフティングは研究論文のほとんどがクリーン系のためクリーンを、ハイプルは指導経験的にスナッチスタイルの方が行いやすいクライアントが多いのでスナッチハイプルを、それぞれ行って頂くことが多いです。

そして今回紹介した研究ではリフティング効果としては差がないとされています。

ただこのまま現場に応用するのも難しくて、筆者らも言及していますがコントロール群が存在しないことは非常にマイナスだと思います。

リフティング系なし・その他のトレーニングのみを行う群がいないと、両群の向上がリフティング系の効果かわかりません。

理想的には測定結果に影響を与えそうなスクワット&デッドリフトを省いたハングクリーン群、ハングスナッチ群と通常の練習のみのコントロール群で比較出来れば良いのでしょうが、競技選手を被験者にしている以上難しいでしょうね…

また、被験者内でオフシーズン・オンシーズンの違いからトレーニングプログラムが大きく異なるため、これってそもそも比較になるのかな〜と思います。

とはいえ、このような現場での選択にヒントを与えてくれる研究は有難いです。研究者の方々、本当にすごい。